第704回 連合自治会カラオケクラブの発表会

朝、六時半起床。賛助のための起床時間では私の記録上最早である。
四ツ橋線を経て、梅田で本日の御相方たる来舞兄と合流。兄、急激なる便意、大便場へ走る、紙持って。酒飲みは腹が緩い。で、電車を二本見送る阪急停車場。ワシ、ホームで舌打ちを二回。
蛍池着八時過ぎ。会場到着八時半。着替えを済ませ、打ち合わせ。本会開会九時三〇分。
某連合自治会カラオケクラブの発表会。二人司会。全席二〇〇名。途中昼食、三時の軽食を挟んで出演総数八五組。
九時半から六時半までの長丁場である。来賓には豊中市長、衆議院議員、空港関係者、並びに市の御歴々などが。
これは兄取引先の社長の奥さんから舞い込んだ。この世はご縁である。
久しぶりに兄と池田和蘭・満月の共演。うれしいものがある。九時四〇分(朝だ!)、乾杯のご発声から会場にはビール、酒が溢れる。
会場の係員さんがツカツカツカとやってきてニヤリと笑い、「西尾さんから聞いてます!」と、生ビールを司会台に並べてくれる。
笑鬼さんの娘御前の友達の夫という。服部のご本宅にも行ったことがあるらしい。これはいわば兄弟だ。
彼は途中何じゃらと気を遣ってくれた。この世はご縁なのである。
むろん、喉の渇きを癒すために口に湿す程度しか飲めない。勤務中だ。本会では二人で司会を挟みながら、終日で一人、生ビールを五杯ほどチビチビチビチビやった。ちっとも酔わない。気が張ってるんだろう。

三部構成の第三部。六五組目くらいか、小学校の教頭先生が登壇し熱唱。その応援に司会者席の前のイスになだれ込んできた一人の男性。彼はうれしそうに言う。
「あれ教頭。小学校の教頭。今日赤い勝負パンツ履いてるねん。
 みんなに言うたって!」
「赤いパンツ!そんなん言えませんよ」
「かまへんかまへん、ワシ校長、校長」
「どちらの学校ですか」
「●●西小学校やねん、いやー、教頭先生おもろいわー」
喜んで舞台を見てる。

「?」
妻に司会台の下で手早くメールする。
「お前、仕事で行ってる小学校、なんちゅう小学校やったっけ」
「●●西」との返信。
話は聞いていた。学童保育に力を入れる校長と様々相談しながら仕事してるという。
全曲終了。大抽選会。すべての予定が終了し追い出し。

先ほどの校長の元へ。
「私の妻、学童保育のお手伝いで豊中の小学校に行ってまして…」
校長先生はポカ〜ンとしてる。
「高野と言います」
先生の頭でつながった。
「う゛わー」
握手する二人。
「あんた、あの高野さんのなにの、なにで、う゛わーあsdfghjk」
妻のボスであった。
ご縁である。この世は全くご縁である。

打ち上げ。役員の皆さんとふぐ鍋。ひれ酒から始まりてっさ、唐揚げ、鍋、雑炊までしっかりご馳走になる。ひれ酒五合か(気が張って酔わない)。役員さん、店主さんらと競馬の話。担当は兄(ワシ競馬しらんもん)。調教師の話になりグイグイ掘り下げていくと、また出てきた。
「●●調教師のお嬢ちゃん、赤ちゃんの時からよう知ってて、
 関大行って落語して、NHKにも出て、今学校の先生してはる」
これ、花の家さんごである。ご縁である。この世は実にご縁なのである。

堪能。礼を言って園田の駅で二人。
「打ち上げしましょか」
満腹に缶チューハイ。兄のおごり。
「お疲れ」
一缶づつ。やっとホロッと酔う。

メールが入る。
我らの後輩で、はやて君が学生落語選手権大会で優勝したとの報。私にとって彼は後輩ではない、池田おたなkaiwaiの同僚である。彼の人となり僅かながら知る。明晰明朗にして機知に富み明快。知礼かつ素直。受賞を気負わず、踊らず、かつまた傲慢為らざらん好漢。
乾杯、乾杯、また乾杯。
一日を省みて、ご縁を以て釈尊の手の平で走り回るを痛感。梅田で兄と別れ帰途に着く。