第491回 ■吹田のマンションにて七夕寄席

晝、レタスとキュウリとトマトとシーチキンのサラダ。
 
 吹田のマンションにて七夕寄席。
 笑太郎師、米揚げいかき。輕妙なるトップバッターを好演された。マクラからかつんとお客樣とチャンネルをフィットさせ、クイクイお運びになる。何といふ60代か。
 笑鬼師、ちりとてちん。今までみた師の舞臺の中で最も樂しさうな舞臺。甚兵衞はんが喜公に實に嬉しさうにつつこむ。二人の仲良い人間關係に好感。テンポもよろしく空間を見事に暖めていただいた。
 亂坊、はてなの茶碗。この話自體が持つ展開、力をお客樣とともに堪能。油屋の切羽詰まりに自分の今を乘せていくと、茶金さんの説諭が身にしみて涙が出さうになる。
 なぜこの人は初見の油屋にここまでしてやれたのか。「茶金、あきんど冥利に盡」きただけではない。己の若い頃を油屋に見たのか、自分の息子と重なつたのか。僕が、油屋に己を置いて演じる、とするに、十巣師の「自分は茶金にシンパシを感じる」とされた所感の一端を舞臺上で改めて噛みしめる。
 油屋、茶金ともに實に愛すべき好漢である。この二人の出會ひが見えざる手の計らひで、トントン拍子に面白い結末に運ばれていくワクワク感を演者自身が字義通り「お客樣と共に樂しむ」ことができるか、これが試されるのだと痛感する。
 打ち上げ、三人で痛飲。なぜかその後、やまやで二次會。笑鬼師宅一泊の恩誼。