第483回 ■關大葦文會 餘興出演

朝、拔き。
晝、カレースパ&カレーうどん
打ち上げ、豪華中華コース。ビール&紹興酒。二次會、黒龜ロック。三次會、黒龜ロック。

 「マンボーつ!」

 四十有餘年の歴史を誇る文化會落語大學。大喜利の5文字作文。お題は「せんりやま」。舞臺向かつて右端でこの大喜利しんがりで總大將を務めていただいたのは、我らが盟主・OB會長であらせられる關大亭笑鬼さんである。その彼が、これまでの人生、落大の歴史、後輩である我々への激勵など樣々な想ひを込めて放つたお答へだ。
 
 せんりやまの「ま」、(カン)  「ま、ま、マンボーつ!」
 
 目にはためらいなく中空を睨み、膝立ちの彼は身を半身にし、右手は頭上で指まで伸びきり、左手は眞つ直ぐ前に差し出され、あたかもイリュージョンショーのキメのシーンのやうである。おまけにその左手は(彼の頭中ではドラムが鳴り響いてゐたのであらう、その音に合はせるかのやうに)小刻みに震へてゐた。
 
 あ、やつてもた。演者全員の悲鳴に似た驚愕の視線が先生の僕に投げかけられる。いや、演者の生徒諸君だけぢやない。お客樣全員が固唾を飲んで僕のつつこみ、さう、ここに集ふ全員の共感を代辨する僕の一聲「なーんやねん、それは」を待つてゐる。

 僕は呆氣にとられてゐる自分を叱咤激勵して、ここ20年出したことのない大音量を以て、その期待された一聲を渾身の力を發揮して放つた。
 
 ピーン
 
 第一音節の「なー」を伸ばしてゐる最中に聲が飛んだ。聲帶が破れ、裂ける音がした。