第349回 一周年

 昔、僕らの遊び場は「落大の公式掲示板」だつた。OBだつた市松君が作つた。確か公式板のカウンタが五萬とか七萬とかの時代だつたと思ふ(今はなんぼか知らん)。
 落大は掲示板上でも活溌でなければならぬ、いや萬民に少々解らなくても一日に二十や三十の書き込みがなくてどうするか、と意氣に感じて、ほとんど今のマイミク衆らと同じようなメンバで狂つた樣に(駄)文を書き連ねてゐた。毎日物凄い勢ひだつた。
 批判も受けた。掲示板上で直接に或いは某巨大掲示板の傳藝板上に落大スレが立つて大騷ぎになつたこともあつた。神が降臨したこともあつた(過去日誌參照)。
 その後、公式管理者の市松君が現役に管理者權限を移讓。一部の者らは「第二和室」と稱する別板をつくり活溌な論議を繰り返し、公式掲示板からの撤退を決意。
 以降、僕ら殘黨はクローズドな世界でアングラな祕密結社と化した。實に長い時間がそこで過ぎた。
 そして、ある日突然福島の來舞兄から舞ひ込んだ一通のメール。マイミクの招待状!
 僕はアンダーグラウンドな世界から再び地上に這ひ出た。眩しかつた。アングラ時代のやうにもう罵詈雜言は書けぬ。泣き言も書けぬやうになつたのだ。
 明日九月二十六日。招待状によるミクシ侵入一周年記念日。しかし僕は以前告知したやうにまもなくまた戻る豫定だ、全員がミクシに行つて潰滅したあの地下へ。
 
【陣中日誌】
朝、午後の紅茶