第271回 浴衣行進

 幼稚園にイベントが多いことは既に書いたが、いい加減にほしい。今日は「七夕浴衣祭」だと。
 妻は午前中に豫備校で、晝からは祭のお世話係なんで、僕が連れて行かなくてはならない。
 昨夜、妻と子らが浴衣の準備をしてゐたので、僕も己の浴衣と帶、足袋を出して、當たり前の樣に用意してた。
 妻は僕が鼻歌を歌ひながらを用意してるのを見て、
 「あーつ、違ふ違ふ!あなたは浴衣着なくていいの!幼稚園では普通にしてて!ねつ!お願ひつ!」
 マジで手を合はせて頼んでくる。僕は小鼻を膨らませて憤慨しながら、しぶしぶ浴衣をタンスにしまつたのであつた。
 
【陣中日誌兼戰鬪詳報】
朝、豆腐お粥。
晝、父ちやん燒きそばを娘らと三人で。
夕、浴衣祭でお握りやフランクフルト、たこせんを食べる。
お手傳ひと輕口は、妻を除く若母等に好評。
 しかし全員、人の嫁はんなんでパワー四分の三減(この「拔き」が、亂坊特有の不必要な聲張りがなくて案外良かつたとの妻の報告)。
夜、ピザ、ワイン一本。