第220回 衣替へ ― 變化の必要性を再認識して

 千切れさうだ。マヂやばい。
 夏物に着替へたんだが、胴の所が腹に食ひ込んで苦しい。妻が見兼ねて言ふ。
 「スーツ買ひに行きや」
 私は空氣を吸ひ續けたまゝ
 「アホか、入るわい」と裏聲で平靜を裝ふ。
 肥えてることを一旦認めると、一年前に辭めた煙草同樣、酒、脂、と妻は勢力を擴大し、私に對する霸權を慾しいまゝにすることは目に見えてゐる。
 食生活の改善は當然のことながら、たとへ腹が千切れて熱腸が噴出しても、平然とそれを腹腔へ押し戻し
 「ズボン丁度やでー」
と言ひ切る豪膽さが、酒と脂を失地とせぬため必要なのだ。
 實際、食生活は改善してきた。肉を控へ魚に移行してゐる。間食は一切ない。定例と打上げ以外は酒席にも行かぬやうにしてゐる(中一日開けは濟し崩しにしたが)。
 今日、ダイエットシューズなるものを注文してみた。報告しておく。
 
【陣中日誌兼戰鬪詳報】
朝、娘辨當(キティーちやん型お握り、チキンカツ、きゆうり、卵燒き、燒きそば)殘り。
晝、近鐵上本町驛構内立ち喰ひうどん屋にて、天ぷらうどん。
夜、ビーフン、秋刀魚のカンズメ、豆腐とわかめと卵のスープ。