第101回 別れ…、そして出會ひ

 新年から幼穉園に編入するため、昨年末に哺育園を退園した。これで送迎の折にお氣に入りだつた井上先生や初川先生ともお別れだ。
 泣いてゐた。彼女たちは最後のお迎への時、泣いてゐた。勿論、娘たちとの別れを悲しんでのことであるが、僕と會ふのが最後だから泣いてゐると見えないこともない。
 二十代前半の女性が、潤んだ瞳で別れを惜しむその姿を、あへて勘違ひのフィルターをかけたまゝ、網膜に、または大腦新皮質にしつかりと燒き付けるのはまんざら悪い気もしない。
 今日は、今年初めての僕の幼穉園お送り當番の日だつた。通園バスがマンション下に迎へに來るんだ。バスは幼穉園の先生が一人同乘してゐる。
 齡六十ほどだ。
 
 まあいゝ。仕方ない。
 
【陣中日誌】

朝、昆布うどん(難波錦そば)。
晝、卷き壽司
夜、八寶菜のウヅラ卵を三個。燒酎一合。