第77回 このコンビニは伸びる氣がした

 某コンビニの出店用地の關係で面會したエリア擔當の上席の方と雜談をしてゐた。僕は言つた。
 「いやー、御社の白クマアイス。おいしいですねー。特に御社にしか賣つてゐないロイヤルの白クマ。あれは素晴らしい!●ァミリーマートに眞似した類似品があるが白クマなどゝ名乘らせるのも汚らわしい。今は冬だから近隣の店舖にないので、自轉車に乘つて遠くの御社コンビニまで夜に走るんだが、大量入荷の夏が待ち遠しい!」 と、熱辯を奮つた。
 擔當氏は僕の白クマ愛を滿身に受けて涙ぐんでゐた。某コンビニの自信のイチオシになつてると説明された。彼も白クマが好きださうだ。冷凍庫には必ず五個をキープしてゐるらしい。彼は僕の住所を聞いてきた。歳暮か、んなアホな。
 その夜、仕事歸りに行きつけの某コンビニに寄ると、アイス賣場に白クマがあふれさうに入荷されてゐた。擔當氏の顏が浮かんだ。…早すぎる。まさか、な。
 でも、白クマ、ある時に買つておかないと…。カゴに白クマを五個ほど入れた時、バックヤードから店長さんが飛んで出てきた。彼は、選擧ばりに僕の手を取り熱く語る。
 「エリア擔當氏から聯絡がありました!いつもご愛顧下さいましてありがたうございます。今後は決して白クマを切らせませんので今後ともどうぞよろしくお願ひ致します。」
 實に鄭重に挨拶された。もはやコンビニの應對ではない。百貨店の外商と賣場みたいだ。
 「…五個では許してもらへなさそうだなあ…。」
 仕方ないので、もう五個白クマをカゴに入れた。
 
【卷頭付録】

しまじらうコンサートの自席からの眺め

【陣中日誌】

朝、拔き。
晝、葱とシイタケのニンニク炒め。
夜、炒飯。