第73回 タレかく。

 六甲山で燒肉のたれで命をつないだ公務員が發見された。骨盤骨折で動けず、三週間水とタレだけで過ごしたといふ。
 スカウトとして、彼の生還を心からお慶び申し上げると同時に、燒肉のたれの持つポテンシャル、そのエネルギー(=カロリー)に驚かされてゐる。恐らくタレはもういゝから、肉と飯がたらふく食ひたい、と渇望しておられることであらう。想像に難くない。ご快復を心からお祈りする。
 僕は、燒肉のお晝定食(九百圓相當)なんかを頼むと、包み飯、返しの汚れ飯でご飯を汚し食ふので燒肉のたれを何杯もおかはりしちやう。この邊に不思議な體脂肪維持の祕密が隱されてゐるのではないかとにらんでゐる。
 
【陣中日誌】

朝、娘の辨當の殘り。
晝、昆布うどんを立つて。
夜、パスタと日本酒